「イケメン」と「女性向け」マンガ

深夜に起きてふと考えてしまったのでつらつら書く。

 

私は絵柄が可愛ければ、だいたいどんなマンガでも読む。常に新作に飢えているので、無料公開されていれば片っ端から目を通す。それが、いわゆる「女性向け」とされているものでも。

 

これは間違った印象論かもしれないが、以前は「女性向け」といえば、少女や大人の女性の恋愛漫画が大多数だったように思える。しかしここ数年の「なろう」からのコミカライズによる異世界ものの激増で、「女性向け」のマンガにも、ファンタジーとか、冒険とか、私が好む副要素が入ってきた。

 

そういうわけでそれらを読み漁る中で、ひとつ気がついたことがある。主人公の女性が「イケメン」という言葉を使った瞬間に、だいたいそのマンガを閉じてしまう、というものだ。

 

ひとつは、特に純粋な異世界もの(つまり、転生/転移といった「こちらの世界」が関わらないもの)なのに、雰囲気をぶち壊しているように思える、というのがあると思う。「イケメン」という俗語というかスラングめいたものを別の世界の住人に使われると、「こちらの世界」の作者が透けて見えてしまう。それで、作品世界に入り込めなくなる。

 

もうひとつは、単に女性主人公に感情移入できなくなる。特に、私の目線からヒーロー(ヒロインの対義語ってなんだろう)が「格好いい」と思えない場合。世の男性一般に通じるかは分からないが、私は他の男性について容姿が良い=魅力的であるとは思っていない気がする。あと、男性が男性を評価する際に「イケメン」という言葉は使わない気がする。女性の間でのみ使われる俗語によって、主人公との違いを強く意識させられてしまい、感情移入できなくなる……ような。「美形」とか「整った顔立ち」とかなら割とすんなりと受け入れられるのだけど。

 

あとは、「雑」な言葉ではないか、とも思う。そういう意味では、「男性向け」作品の「美少女」という言葉も苦手だ。といってもヒロインには例に漏れず顔の良さを求めているのだが。ただ、「顔が良い」と一口に言っても、「愛嬌がある」とか「人形のように整った」とか、様々な美しさ、かわいさのかたちがあるのに、それらを全部一括りにしている感じを、どうも敬遠してしまう。

 

オチはない。

「女性向け」漫画に興味が湧いたら、「FLOS comic」「ゼロサムオンライン」(Web)、「Palcy」(アプリ)などに目を通してみるとよいと思う。